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インスリン(インスリン注射)とは

糖尿病は、すい臓から分泌されるインスリンという血糖値をコントロールするホルモンが不足し、血液中のブドウ糖の量(血糖値)が増えた状態が長く続いて、さまざまな合併症を起こす病気です。この状態に対して、インスリンを注射して補い、血糖値をコントロールするのが、いわゆるインスリン療法、インスリン注射です。
糖尿病はインスリンがまったく分泌されない「1型糖尿病」と、インスリンの分泌量が不足したり、その働きが弱まる「2型糖尿病」の2つに大きく分けられますが、日本人の糖尿病患者の9割以上は2型糖尿病です。日本医学ボランティア会で募集する糖尿病の治験も、ほぼ2型糖尿病の方が対象となります。

インスリン注射

インスリン(インスリン注射)「インスリン注射」と聞いただけで、「恐い!」と拒絶する人が多いようですが、昔と比べ最近のインスリン注射は安全で簡単に注射できます。
現在のインスリン注射の主流は、ペン型の注射器で、ちょうど万年筆とほぼ同じ大きさなので持ち歩きにも便利です。針も糸のように非常に細いので痛くありません。

飲み薬で血糖値がコントロールできなかったり、著しい高血糖のためすぐに血糖値を下げる必要がある場合は、インスリン注射(療法)を行います。

糖尿病の飲み薬は「飲むインスリン」だと誤解している人が多いと聞きますが、飲み薬の多くは、すい臓に働きかけインスリン分泌を促したり、肝臓や筋肉などに働きかけてインスリンの作用をよくする効果があり、インスリンを直接飲んでいるわけではありません。ですから、飲み薬による血糖コントロールは個人差が大きく、同じ人でも状況によって変化します。
それに比べ、インスリン注射は、直接投与するため、作用の強さや効果が分かりやすく、より血糖コントロールが容易になります。飲み薬で効果が出なかった2型糖尿病患者さんがインスリン注射に変えると、血糖コントロールが良好になることが多くあります。

インスリンは、皮下に注射後に効果が現れる開始時間・ピーク・持続時間の差によって、超速効型、速効型、中間型、持効型、混合型(超速効型、速効型、中間型を混ぜたもの)に分類されます。速効型は食事30分前に注射する必要がありますが、超速効型は食事の直前に注射すればよく、低血糖を起こしにくいという特徴があるなど、それぞれの特徴をよく理解しておく必要があります。

通常は注射したい部位の皮膚をつまみ垂直に針を刺して、皮下組織に注射します。注射する部位は、腹部・上腕・お尻・太ももなどで、吸収速度は腹部が一番早く、順番に遅くなります。通常は、吸収が早くて安定している腹部に注射するのが最適です。


インリン治療・インスリン注射についてのQ&A

インスリン治療やインスリン注射についてのご質問にお答えします。

一度インスリン注射を始めたら、一生止められないのでしょうか?

血糖値が高い状態が続くと、さらにインスリン分泌が低下したり、筋肉や脂肪細胞でのインスリンの作用が悪くなるという悪循環が起きます。インスリン注射をすることで、その状態が改善されてインスリン注射が不要になることが多々あります。

また、インスリン注射によって、すい臓のインスリン分泌低下が早まると思っている人もいるようですが、それは誤解です。インスリン療法を始めて血糖値の管理をよくしておくことが、すい臓を休ませることになり、インスリン分泌力が回復することがよくあるのです。飲み薬による治療からインスリン療法に切り換え、しばらく経ってインスリン分泌力がアップしたら、再び飲み薬による治療に戻すことも珍しくないのです。

インスリン注射は1日何回するものですか?

速効型インスリンの毎食前3回注射、混合型や中間型インスリンの朝夕1日2回注射、速攻型インスリンの毎食前と就寝前に中間型インスリン注射の4回注射等、患者さんの状態に応じて注射回数やインスリン量、インスリンの種類を決定します。最近は、インスリン療法と経口薬療法を併用することもあります。

また、血糖値は1日のうちで変化します。インスリン注射は血糖値を下げる効果が飲み薬よりも確実なだけに、タイミングを守ることが非常に重要になります。
タイミングをきちんと守れば、血糖値が最も高くなる時間と、薬の効果が最も強くなる時間がうまく重なって、高血糖を抑えられます。このタイミングがずれると、よい効果を出せないだけでなく、低血糖になる危険性も出てきます。


インスリン注射に頼る前に、糖尿病を予防しよう

インスリン(インスリン注射)技術の進歩によって、インスリン注射は昔と比べて痛みがほとんどなく安全で簡単にできるようになっていますが、やはり毎日自分で行わなければならないのは大変です。外出時に忘れてしまったり、種類を間違えて使ってしまったり、医療費がかさんだり・・・という不安もありますよね。

また、日本医学ボランティア会(JMVA)で募集している糖尿病の治験の参加条件でも、インスリン注射をしている人は除外されてしまうことが多々あります。みなさんも、できることならインスリン注射はしたくない!と思っている人が多いのでは?

インスリン注射に頼る糖尿病になってしまう前に、食事療法や運動療法で症状を改善できれば、それに越したことはありません。今はまだ糖尿病になっていない予備群の人も、放置しているといつの間にか悪化して、気づいたら重症に・・・なんてことにならないように、生活習慣を見直し、定期的に検査して血糖値・ヘモグロビンA1c(HbA1c)をチェックするようにしましょう。


糖尿病の薬物療法・新薬開発

■血糖降下剤(飲み薬)とインスリン注射との併用療法

インスリン(インスリン注射)2型糖尿病で、たくさんの薬を最大用量飲んでいるのにも関わらず、血糖値・HbA1cともに下がらない人に対して、薬と併用してインスリン注射を1日1~2回行う治療方法があります。
薬の効果が終日続いているため、高血糖状態の時間が少なくなり、すい臓への負担が軽減されてインスリンの分泌機能の回復、血糖コントロールの改善が見込めます。
従来は、飲み薬で効果がない場合はインスリン注射を1日数回しなければなりませんでしたが、1日1回(場合によっては2回)の注射でよいので、飛躍的にQOL(生活の質)が向上しました。また低血糖になる可能性も少ないため、安心してインスリン注射の治療を受けられるようになりました。

現在の新薬開発(治験)は、体(すい臓)への負担が少なく、血糖値をコントロールできる薬の『治験』を数多く実施しています。2型糖尿病で思うように治療が進んでいない人は、是非このような新しい治療方法を治験で体験してみてはいかがでしょうか。

また、糖尿病患者といえばメタボリック症候群、いわゆる糖尿病、高血圧症、脂質異常症(高脂血症)などの生活習慣病を併発している方が非常に多いと思いますが、きちんと治療することで全ての疾患がコントロールできるようになる場合もあれば、各々の疾患で治療を必要とするケースもあります。
血圧は下がらなかったけど血糖値がコントロールできるようになった場合、次のステップとして高血圧症の治験にも参加できるようになりますので、今まではあまりコントロールできていなかった人や、もっと自分に合う薬を探したいという人には、治験への参加をオススメします。






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